手から想像できること
ハスタのシンボルは『黄金の手』とされています。
“手”から想像できるように、このハスタさんは手を使うあらゆることが得意です。モノづくりや、マッサージ、バスケットボールなどのスポーツや、人に指図する監督者など。
また、手先が器用な人は、大抵、頭脳明晰で、計算を得意とします。
基本、ハスタさんはオールマイティーなのですが、じゃぁ、なぜ“黄金"の手かというと、太陽神がこのハスタを司っているためです。太陽は威厳のある存在として金色が好きなわけです。そのため、ハスタさんの仕事ぶりは、オーセンティックであります。
乙女座は、どちらかというと地味な存在で雇われ人という印象が強いですが、実際は、このハスタを含め、リーダー格としての存在を発揮することは十分可能なのです。
月と水星のコンビ
ハスタを司るのが太陽神である一方、乙女座の支配星は水星、ナクシャトラの支配星は月となります。
水星と月のコンビネーションといえば、人を操るのが上手い蛇といわれる蟹座・アシュレーシャーを思い出しますが、ハスタさんも、アシュレーシャー同様、操るのが上手です。
月は感情、水星は論理・言語処理能力であるため、アシュレーシャーもハスタも、心理と論理をフル活用するのが得意なのです。
ただ、蟹座アシュレーシャーは、より心理的に、無意識に訴えかけるのに対し、ハスタはより計算的に、論理的に、知的に訴えかけます。そのため、相手からすると、アシュレーシャーに操られた場合は、いつの間にか懐に入られていて気づかないのに対し、ハスタさんに遭遇した場合、「あれ、なんかこの人掴みどころないな」とか、「なんかちょっと、信用できないな」と感じてしまうわけです。
掴みどころがない、でいうと、まさにイケメン詐欺師の奮闘を描いた映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』がハスタのイメージに当てはまります。医者やパイロットなど、ハイステイタスな職を偽って次々と犯罪を行う詐欺師をレオナルド・ディカプリオが演じましたが、実際、レオ様の月はハスタに位置します。ハスタさんが、たとえ犯罪に手を染めることがあったとしても、あくまでもスマートに、クオリティー高く行いたいのです。
論理的で抽象的なハスタ
ハスタさんは、論理的なイメージが強い一方、意外と『概念』という言葉が好きだったりします。
『COTEN RADIO』という、日本・世界の歴史を面白く解説するPodcast番組が好きでよく拝聴しているのですが、そのPodcastのパーソナリティーの一人、深井龍之介さんが、番組の中で、かなりの頻度で『概念』という単語を発しているのです。そんな深井氏が気になって、ホロスコープを見てみたら、月がハスタにありました。
歴史は哲学や宗教に繋がり、そこから『概念』という事実から抽象へと視点が移っていきますが、なぜ論理思考なハスタさんが、概念に惹かれるかというと、全てのことに疑問を持ち、全てに意味を見出したいと思って、色々と突き詰めた結果、最終的に『概念』に出会い、この無形のものを論理的に言語化したいという欲求にかられるからではないかと思います。そして、ハスタさんは、実際に、言語化するのが非常にたけているのです。そのため、ハスタに惑星を持つ詩人や小説家は、多くいます。
抽象的概念を論理的に理解しようとするハスタは、神様の存在を徹底的に信じる人、徹底的に否定する人、どちらかに分かれる傾向があります。
例えば、キリスト教徒で、キリスト教の神を題材とした『沈黙』等作品を生み出した作家、遠藤周作は、その性質から、多分、アセンダントはハスタではないかな、と思います。(予想です。)その一方、表向きは少なくとも神の存在を否定する共産主義者であるスターリンも、ハスタに位置する月もしくは太陽を持っています。核心まで問い詰めた結果、自分なりの信念が生まれて、白黒はっきりした、肯定・否定の立場を取るのだろうと思います。
概念繋がりでいうと、権利や主義主張、特にフェミニズムへ関心を寄せる人もハスタに多いのではないかと感じます。
例えば、メディアでも話題になるフェミニストの上野千鶴子氏も、ハスタに月をお持ちです。ハスタ・ナクシャトラの支配星である月は、占星術では女性を表し、ハスタを持つ女性は、男性同様ハイキャリアを目指せる人が多いため、同じ能力に対する正当な評価がされていないという意識から、権利に対する主張が強くなるのかなと思います。
頭脳明晰で合理的である故、あらゆることに疑問を持ち、本質を得ようとするハスタさんにとっては、例えば、なぁなぁで今に続く悪しき文化とかは、ただただ無意味なのです。なので、それに対して指摘するのですが、なぁなぁに疑問を持たない凡人からしてみると、「何でわざわざ波風立てたいの?」となります。先を行き過ぎている故に、周りに理解されず、衝突することもよくあります。
こういうことから、ハスタを含む乙女座は、基本ポジションの6ハウスとして、伝統や家父長制を重んじるインド占星術から『悪の3大ハウス(Dusthana House)』の1つとして扱われるのでしょう。(その他2つは、蠍座8ハウスと魚座12ハウス)
でも、現代を生きる私たちからしてみれば、喧嘩上等、いつでもかかってこい!論破してやるわ!でございます。
とにかく、ハスタさんは色んな面を持ち、多才なので、ハスタ=〇〇と一括りにはできませんが、ハスタの概念を何となく掴んでいただけたら光栄です。
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