※この記事は、個人の見解を含みます。
私たちが馴染みのある12星座は、西洋占星術の太陽星座に基づくものですが、インド占星術で、「あなたの星座は何?」と問われる場合、一般的には月星座を答えるとされています。
西洋占星術が太陽が位置する星座を自分の代弁者とする理由は、太陽が魂であり、不変であるからです。
一方の月は、満ち欠けを繰り返し、感情的であり、不変ではありません。なぜ、移り変わる球体を、インド占星術は自分の代弁者とするのでしょうか?
考えられる理由としては、実際のところ、物質世界で生きている人間が常に月のように移り変わりをしているから。真言宗の開祖、空海は、「人の心は月のようだ」と表現したようですが、この考えは、まさにインドの教えをベースとしています。
そもそも、一人間が太陽のように自ら輝いて、不変的存在であると考えるのは、きっとおこがましいのです。普遍性はあったとしても、不変的ではないのです。
また、多分ですが、インド占星術のホロスコープで登場する太陽は、私たちが日頃見ている太陽ではない気がします。
インド占星術のホロスコープは、西洋占星術同様、地球から見た星の動きを示しています。そのため、本当は地球が他の惑星同様、太陽の周りを回っているにも関わらず、ホロスコープ上、太陽が動いているように見えます。
しかし、古代の人たちは、コペルニクスが地動説を唱える遥か前から、宇宙の法則を知っていたはずです。ここで詳しく書きませんが、それを示唆する法則が、インド占星術に取り入れられています。
なので、太陽は動かないと知りながらも、古代の人たちは、仕方なく、ホロスコープに太陽を“仮の姿”として、登場させたのだと思います。
“仮の姿”とは何かと言うと、“太陽の子供”であります。
ギリシャ神話のように、インド占星術にも、各惑星にまつわる物語が存在します。太陽以外の球体は、球体そのものがキャラクターとして物語に登場する一方、太陽にまつわる物語だけは、“太陽"そのものではなく、“太陽と同等の力を持った、太陽の息子”として登場します。
このことから、インド占星術のホロスコープで見かける太陽は、太陽と同じ性質を持った存在ではあるものの、本物の太陽ではないと言えるでしょう。そうであるならば、人の性質を表すのに、一番適した球体ではなく、やはり、月の方がしっくり来るのかもしれません。
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