インド占星術を有効に使うには、正しい出生時間が必要です。
確かに月の位置からホロスコープを読むことはできますし、1つくらいアセンダント星座が間違っていても性格判断程度であれば完全に外れることもありません。
ただし出生時間が不明の場合、アセンダントを特定できないため、やはりどこかでズレが生じます。そして何より、出来事を占うための運勢ツール、ダシャーを効果的に使えません。
これまで私の鑑定を受けて下さった全ての方は出生時間を提出して下さいました。しかし私の肌感覚では、2-3割の方々は出生時間が間違っていた気がするのです。
特に次に当てはまる場合は、要注意です。
- 出生時間の出処が『母親の記憶』
生みの母親情報だから間違いないだろう、と思ったらとんでもありません!占星術界では、「母親の記憶は当てにならない」とよく言われています。
「〇時頃だったかなー」であれば、疑うことも簡単です。でも時々「〇時〇分にあなたは生まれた」と断言する母親もいます。それでも「分刻みだから正しいかも」と信じずに、一度疑ってみたほうが賢明です。 - 母子手帳の出生時間が"キリが良すぎる”
例えば『5時』や『5時30分』などキリが良すぎる時間が母子手帳に記載されている場合、医療従事者の方が時間の繰り上げ/下げをした可能性もあるので要注意です。 - アセンダント度数が星座間の境目に位置する
これはインド式ホロスコープを出してみないと分かりません。
例えば、"母子手帳に記載された時間”をもとに出したホロスコープで、アセンダントが『魚座29度』だった場合。あと1度で牡羊座に変わります。出生時間たった2分の差でアセンダントが変わり、チャートの全体像も変わります。
これは非常に厄介です。
以上の点を踏まえ、私は皆様に鑑定申込時に過去の出来事を記載して頂くことにしました。
「過去の出来事を占いで当ててほしい」という方には申し訳ないですが、出生時間が正しくなければ過去を当てることも無理です。せっかくのお金と時間を無駄にしないためにも、皆様にご協力を願います。
特に下記の過去情報は、出生時間の確認に最有効です。
- 結婚した時期
- 子供が生まれた時期
占いは過去の振り返り&人生の肯定の役割も果たす
一般的に占いは未来予測のためのものだ、と考えられているかもしれません。しかし私は(自分の性格上?)過去の振り返りのためにあると信じています。
未来に期待する、または、未来に不安を感じるのは現状/過去に何か引っかかっている点があるわけで、その懸念が解消されなければ、未来に起こるべきことが起こらない可能性も十分にあります。
結局のところ、自分の心の目を通して人々は世界を見ているので、心がクリアにならなければ未来も明確になりません。
※だからインド占星術では"実在”の太陽よりも"心”の月が重要視されます。
インド占星術で、太陽よりも月を重視する理由
「どうしてあの時、こんなことが起こったのだろう?」という疑問に対して、自分のホロスコープは答えを与えてくれます。(ただし、占星術的な答えです。)
「過去の出来事は起こるべきして起こった」と納得できれば、自分を受け入れることができるようになり、結果自己肯定に繋がります。自己肯定感があれば未来の可能性はどんどん広がります。
私の鑑定を選んでくださる方にはぜひ、未来を考える時間だけではなく、過去を振り返る時間も一緒に持って頂ければ良いな、と思います。