インド占星術でもトランジットは重要

インド占星術では、トランジットより運気の流れを見るダシャーのほうが大事だとされています。

しかし実際のところ、トランジット（現在進行中の惑星の配置）の影響は大きく、実はダシャーよりも未来予測をしやすかったりもします。

トランジットの中でも特に重要なのが、各半年に1回発生する日食・月食。

今回は日食・月食の影響について占星術の観点から説明します。

蝕についての詳しい説明は、『インド占星術 初心者向けコース』動画講座で解説しています。プレビューはこちらから。

日食・月食中のTo Do リスト

古代の人々は蝕を恐れていました。インド占星術でも例に漏れず、カルマを担うラーフ・ケートゥが世界を支配する瞬間であるため、蝕が起こる時間はじっとしているか、マントラを唱えたほうが良いとされています。

多くの日本人にとってインドのマントラとは無縁なので、実践できそうな『蝕が発生中にすること（しないこと）リスト』を挙げてみます。

蝕が発生中にすること（しないこと）リスト

1. 日食・月食の発生最中に断食をする。可能であれば、蝕が起こる日丸々1日断食がベスト。
   
   
2. 日食・月食の発生最中には睡眠を取らない。
   
   
3. 日食・月食発生前後にシャワーを浴びる。ただし、発生中のシャワー・お風呂は禁止。
   
   
4. 日食・月食発生前後の日に新しいことを始めない。日食の場合は、10日前後。月食の場合は、3日前後。

日食・月食に注意したほうが良い人

必ずしも毎回蝕が発生する時に、上記のリストを守ったほうが良いわけではありません。

蝕の影響を受けやすい時にだけ、注意しましょう。

日食・月食の影響を受けやすい時

1. 日食・月食がアセンダント上あるいはアセンダントと真逆の位置で起こる時
   
   
2. 日食・月食の度数が、バースチャート内のいずれかの惑星の度数と同じ時
   
   
3. 日食・月食の瞬間のアセンダントが自分のアセンダントの度数と同じ時
   
   

2021/12/4に起こる日食を例に説明します。

1. 日食が起こる度数は太陽・月が位置する場所の蠍座18°12′。（月食の場合は、月の位置を参照。）
   
   もし、自分のバースチャートのアセンダント度数がこの付近（3度差以内)、あるいは、正反対の牡牛座18°12′付近にあれば、影響を受けやすい。
   
   また、蝕発生時のラーフ・ケートゥも重要であるため、アセンダント付近にラーフ・ケートゥが来れば、それも考慮する。
   
   上記の日食の例でいうと、ラーフ・ケートゥの蠍座7°34′付近に自分のアセンダントがあれば要注目。
   
   
2. もしアセンダントでなくても、自分の生まれ持つ惑星が18°12′付近にあれば、その惑星が本来意味する事象、その惑星が支配するハウスに関して何かしらの影響が出る。
   
   これは必ずしも蝕が起こる星座内の度数である必要はなく、どの星座内でも度数が近ければ影響が出ると考えられる。
   
   
3. 2021/12/4の日食が完全に起こる瞬間のアセンダントは、牡牛座23°31′。
   
   もし自分のアセンダントがこの付近であれば、要注目。
   
   

蝕の影響で起こり得ること

日食・月食が発生すると、状況が一転すると言われています。

例えば蝕が自分の金星上で発生した場合、金星が本来持つ意味＝恋愛・結婚に変化が訪れると予想されます。もし今まで誰もお相手がいなかったとしたら、誰かに出会うチャンスかもしれません。

ただし、蝕が発生する当日に変化が起こるわけではなく、蝕の影響は発生後約半年間～最長1年間続くため、その間に起こるとされます。

また、トランジットの惑星が、蝕が起きた位置の度数を通過した時に、あるイベントが起こると言われています。

例の12/4の日食で言えば、その後12/31に火星が日食が起こった点（蠍座18°12′）を通過するため、もし既に結婚生活を送っている人であれば、火星は戦いの象徴であるため、この時期に相手と何かしらの諍いが起こるかもしれません。

また、特に月食の時は、発生時約2週間前から精神的不安定になる人もいるため、もしそうなったとしても、「蝕のせいだな」と考えて、意識的に自暴自棄にならないように、急な決断をしないようにしたら良いと思います。

追記：ブーメランのごとく自分が影響を受けまくった占星術家の個人体験談はこちらから

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