燃えよ、聖なる炎
クリッティカーは、牡羊座トップバッターのアシュヴィニーから数えて3番目のナクシャトラですが、ある流派はナクシャトラの始まりをアシュヴィニーではなく、クリッティカーだとします。なぜなら、クリティカを司る神様は聖なる火の神様(アグニ)で、火は人類の文明の源であるからです。
古代インドの聖典で、インド占星術にも大きく影響を及ぼした『リグ・ヴェーダ』では、アグニに対する賛歌が多く登場します。炎は神様と人間を繋ぐメッセンジャーとして見られ、人々の儀式に火は欠かせない存在でした。
そんな聖なる火の神様の管轄下であるクリッティカーも、さぞ素晴らしく解説されているだろうと思って色んな解説文を読んでみると、「あれ?」となります。良し悪しの基準は人それぞれだと思いますが、でもあまり良く書かれていないのです。
クリッティカーを持つ人は大食い、浮気性、とにかく批判的、戦いを起こす、武器に縁がある、養子として育てられる(養子は別に悪くはない)とのこと。これ以外に具体的な説明書きがほぼないのです。
上記に書いた最初の3つは火の特徴を表したものになります。
確かに火は一度広まると全てを焼き尽くす勢いがあるため、批判的と見られ、人々から恐れられます。また、インド神話では、火の神様アグニは、神様のお酒ソーマが大好きで大酒呑みとされています。
その他、アグニは7人の賢者の人妻を誘惑したという逸話から浮気者とされます。(賢者は神様をも呪うので、怒らせてはいけない!)
神話の人物に基づく特徴
戦い・養子に関しては、火の神様ではなく、クリッティカーにまつわる別の人物カルティケヤの逸話に基づくものです。
カルティケヤという戦争と勝利の神様は、ある怪物を倒すためにシヴァの子供として生まれてきました。戦いには武器が不可欠なので、武器とか尖ったものがクリッティカーに関係します。そして彼は実親にではなく、6人の女性によって育てられました。
このことから、クリッティカーを持つ人は惑星の配置によって、実親以外の人物に育てられた経験(養子でなくても、祖父母に育てられた、一日中保育園生活だったなど)あるいは、結婚相手が子持ちだったため結果自分が養子を育てる側になる場合があると考えられます。
しかし、上記以外にも、伝達能力が高い、政治的という特徴が挙げられると思います。
例えば、米フォークロックのレジェンド、ノーベル文学賞まで受賞したボブ・ディランは、クリッティカーに位置する月・土星・木星をお持ちです。
また、黄金ハリウッド時代の超絶ハンサム俳優グレゴリー・ペックはアセンダント・月・金星をクリッティカーにお持ちです。
2人とも確かに2回の結婚歴があり、ボブ・ディランは養子も育てた経験を持ちます。しかしそれ以上に彼らはメッセージを伝える才能に恵まれ、そして政治的でありました。
ボブ・ディランは自身の歌詞で政治や社会の問題に声をあげ、ファンからは「預言者」と讃えられました。グレゴリー・ペックはリチャード・ニクソン大統領から政敵リストに載せられるほど政治的リベラルな発言をする人物として知られていました。
現代では過小評価される太陽と炎
クリッティカーのナクシャトラ支配星は太陽で、太陽は疑問なしに常に存在するものとして、本当は凄いのに、その凄さを忘れ去られる時があります。
クリッティカーの火も同様、文明社会が発達しすぎた現代においては本来の有難みが薄れがちではありますが、聖なる炎の持ち味は未だ生き続けているはずです。
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