インド占星術で使う運勢表ヴィムショッタリー・ダシャーとトランジットの観点から結婚のタイミングを占う方法については、Udemy講座にて解説済みですが、必ずしも全ての人がそのタイミングで結婚するとは限りません。
今回は、ハリウッド女優からモナコ妃となったグレース・ケリーを例に、絶対に結婚の予測が難しいケースを紹介。
グレース・ケリーがレーニエ大公と結婚したのは、1956年4月18日(法的)及び19日(カトリック式)。その時期のグレースのダシャーは水星/水星期。
水星は、D1チャートで1室在住。アセンダントから見て、9室・12室を支配。月から見て、5室・8室支配。結婚を示す7室と関係ありません。D9チャートを見ても、水星は6室・9室支配で3室在住。あまり結婚のタイミングとは思えません。
また、星座ベースのチャラ・ダシャーで見ても、結婚を予測するのは難しいです。(Udemy講座では、チャラ・ダシャーの解説はしていないため、ここでも省略。)
トランジットとグレースD1チャートを比較しても、トランジット木星が7室支配星の火星にアスペクトしているものの、正直、なぜこのタイミングで結婚したの?と首を捻るレベル・・・
だって、トランジット金星が牡牛座を通過中なのは良いとしても、ケートゥとコンジャンクト、しかも、反対側の蠍座には土星とラーフが通過中・・・
色々見てみたところ、グレースが結婚した理由が判明しました。それは、以下の通り。
1. グレース・ケリーのD9チャートと結婚当時のトランジット図の類似性
グレースのD9チャートにおいて、土星は5室牡牛座、金星は11室蠍座在住。結婚当時のトランジット図では、その逆で、金星が牡牛座に、土星が蠍座に在住。さらに、ラーフ・ケートゥ軸が重なっています。ノード軸が来る時は運命のタイミングです。5室/11室軸はロマンス・友好・社会的権力を表します。
また、D9チャートの7室蟹座には火星と木星が在住。トランジット図では、木星が蟹座に、火星がD9チャート1室にあたる山羊座で高揚しています。
教訓:
一般的に、トランジット図はD1チャートのみに当てはめて活用するものだが、時にD9チャートに対しても活用できる。
2. 自分のダシャーと相手方チャートの相互性
水星は一見、グレース本人にとって結婚と関係のない惑星ですが、夫となったレーニエ大公にとっては、水星は結婚と縁があります。
レーニエ大公のD9チャートにおいて、水星は7室在住。(しかも、レーニエD9のアセンダントは、グレースD1のアセンダントと同じ天秤座。運命的。)また、D1チャートのアセンダントは水星支配星の双子座。
グレースが体験中だった水星ダシャーがレーニエ大公のチャートを表していると考えると、なんとなく納得。
教訓:
結婚は1人ではできない。他人が関わる限り、相手のチャートも考慮するべし。
***
他者あっての運命については、Kindle本『邪道インド占星術』でも解説。
通常バージョンの結婚のタイミングを学びたい方は、Udemy講座にて!