映画『Red』で見るアシュレーシャー
前から気になっていた、夏帆、妻夫木聡主演の2020年公開映画『Red』がアマゾンプライムにて無料で視聴可能だったので、観てみました。
ジャンルは恋愛映画(R15指定映画)ですが、私にとっては、軽いサイコホラーでした。汗。メンタルしっかりしている時に観たほうが良いです。私はちょっとのめり込んだらヤバイ、と思い、最後飛ばし飛ばしで観たため、もしかしたら映画の真意を理解していないかもですが、「あ、これ、アシュレーシャーだな」と感じたので、今回取り上げることにしました。
*以下、映画『Red』のネタバレあり。
シンボル蛇の意味
アシュレーシャーの象徴は、蛇です。人々は古代から蛇に偏見と畏怖の念を持ってきました。
キリスト教のアダムとイブをそそのかした蛇。ギルガメッシュから不死身になれる草を横取りした蛇。ハリーポッターの蛇語を操るヴォルデモート。等々。
非常に狡猾で、人のものを奪う信用できないヤツ、と同時に、超越的な知性と魔力を兼ね備えたすごいヤツ、というイメージが、このアシュレーシャーにも取り入れられています。
ただ一方、インド神話では、蛇が神様から裏切られたり、人間から迫害されたりもします。『卵か鶏か論』ではあるものの、そういった経験から、蛇は自分の身を守るため、肉体的に武装するというよりは、知性をフル活用して、相手を操る知恵を身に着けたのです。
そして、映画『Red』に関係してきますが、アシュレーシャーの心理操作には性的なものも含まれます。
*インド神話は多分ギリシャ神話以上にR指定の性的描写が多く、人間の繁栄には不可欠なものとして、当然のように扱われています。
アシュレーシャーは蟹座の最後の度数に位置しており、牡羊座~蟹座までの幼少期(守られた環境・夢の中の世界)から、しし座~始まる青年期(自分で自分の人生を選択する現実世界)へ移動する過渡期に立たされています。
大人になる憧れから性体験への願望が広がり、アシュレーシャーの段階ではまだ未経験のため、非現実的かもしれないファンタジーを次々と思いつきます。
ティーンエイジャーの女の子は、自分が異性から性的な目で見られていると、完全に認識し始めます。それが非常に不快である一方、自分の性的魅力の威力を試してみたくなるのも、この頃です。そして、自分の魅力を使って異性(もしくは、自分の性の対象)を品定めした後、その中から、一番強い人 :殺伐とした現実世界で自分を守ってくれる人 を味方につけたいと思っています。
ただ、若い女性は十分に独り立ちする力がまだ備わっておらず、逆に搾取される危険性が非常に高いため、注意が必要です。
アシュレーシャーは(例えば、少女漫画に出てくるような)自分のファンタジーを満たしてくれる強い人を追い求めるのですが、そんな願望を満たしてくれる人は実際のところ、非常に少ないです。普通の人は、「まぁ、そんなものか」と諦めるところ、アシュレーシャーには、それがなかなかできません。そのため、相手に満足するというのが難しくなります。相手が思ったよりも弱いと認識した時、アシュレーシャーは、パワーバランスのために自分が強い人を演じるか、相手を拒絶します。
そんなアシュレーシャーが自分に見合う強い人を見つけた時、忠誠心を発揮します。どこまでも、ついていく覚悟があるのです。
映画『Red』で、夏帆が演じる主人公の女性も、まさにそんなアシュレーシャーです。
お金持ちのお坊ちゃんだけど、どうしようもなく頼りない夫/自分に好意を持つ、「ちょっと悪い男」風の同僚男性/過去に関係を持って偶然再会した「情熱的だけど超悪い男、一緒になっても多分幸せにはなれない、しかも死ぬ運命」の妻夫木聡を、多分自覚ゼロで手玉に取って品定めをし、最終的には、妻夫木聡を選びます。
自分を解放してくれる愛を求める
映画の中で、妻夫木聡は最終的に病気で死にます。夏帆はその後、夫と子供と共に普通の暮らしに戻るのではなく、家庭を捨てて、妻夫木聡との思い出(?)と共に独り立ちすることを決めます。そこで、映画は終了。
この死んだ不倫相手のために家庭を捨てる女性の行為に、「信じられない、最低!」と思う観客も多かったでしょうが、アシュレーシャーについて勉強した私にとっては、まぁ、誇張しすぎかもだけど、あり得るかな、と思いました。
今までは社会の中で生き抜く保障のため、ダメ夫との生活に耐えてきたけれども、自分を情熱的に愛してくれて、囚われた環境から自由にしてくれる人を見つけてしまったのです。生きていようが、死んでいようが、そんな人に出会ってしまったら、今までの人生はまやかしでしかなく、もう嘘の過去には戻れないのです。本当の自分を見出した今、自分の足で立つ力を得て、新たな道を歩み始めるしかありません。
多分。
ナクシャトラとキャスティングの関係
ちなみに、映画のキャラクターを演じる俳優は、そのキャラクターの雰囲気に合うと判断されてキャスティングされるはずです。
実際、主人公の女性を演じた夏帆、最後に死ぬ男役の妻夫木聡、更には、作中で印象的に使われた洋楽『Hallelujah』の歌手ジェフ・バックリィのホロスコープには、アシュレーシャーを持つ惑星、または、アセンダントがありました。このことから、多分、映画監督もキャラクターに自己投影をするはずなので、この映画を撮った三島有紀子監督は、アシュレーシャーを持つ惑星はないものの、アセンダントはアシュレーシャーになるのではないかなと思います。
アシュレーシャーに不安を感じた方は
もしアシュレーシャーを持っていて、このブログを読んで不安になった方がいたら、ごめんなさい。ここで書いたことは、アシュレーシャー・パワーがマックス(かそれ以上)に発揮された場合の誇張なので、全て当てはまることはないですし、アシュレーシャーを持つ人はかなり多いので、何も心配ありません。ストーリーとして楽しんでいただけたら嬉しいです。
Kindle本『インド占星術と蛇:アシュレーシャー・ナクシャトラ編』にて、徹底的にアシュレーシャーを解説。
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