信仰心と出世欲の狭間
プールヴァ・バードラパダ(略してPバードラパダ)には、昔ながらの魔法使いのイメージがあります。雷や炎や水など、あらゆる自然の万物を利用して世界を操り、人々から恐れられる存在のイメージです。傍目から見ると黒魔術を使っているようにも見えます。
魔法使いは特に中世ヨーロッパでは非難の対象でした。キリスト教の信仰を捨てた悪魔の化身とされ、魔女狩りの被害にあった人たちが多数います。
Pバードラパダは周りから誤解を抱かれやすいほど、情熱と過激さと矛盾を抱えています。例えば、Pバードラパダは熱心な信仰心を持つ一方、強烈な出世欲やわがままな面も兼ね備える、などがあります。
特に水瓶座側のPバードラパダは、星座支配星の土星とナクシャトラ支配星の木星の組合せとなり、土星・木星共に社会的な惑星であるため、2つの惑星が重なることで社会に認められたいという気持ちが強くなります。
魚座側のPバードラパダは星座支配星も木星になるため、徹底的にスピリチュアルへ傾倒するかもしれませんが、この現実世界を乗り切るのは、水瓶座側Pバードラパダよりも難しくなるかもしれません。現実に直面するには、やはり土星の要素も必要です。また、このナクシャトラのほとんどは水瓶座に位置するため、魚座側Pバドラパダを持つ人はやや珍しいです。
プールヴァ・バードラパダを持つ世界的有名人
マイケル・ジャクソン
唯一無二の存在マイケル・ジャクソンの月は水瓶座側Pバドラパダにあります。彼の月は10室在住ですが、アセンダント牡牛座24:03で、度数が23:50と非常に度数が近いため、アスペクトルールに関係なく、月が1室に大きく影響していると考えます。彼のパフォーマンスは魅惑的で世界中の人々を感動・熱狂させた一方で、幼児性的虐待疑惑や見た目の変化への謎で多くの物議を醸し出しました。ここでも2面性が現れています。
マーティン・スコセッシ
映画監督マーティン・スコセッシの月は水瓶座側Pバードラパダにあります。彼はキリスト教を題材にした映画を2本撮りました。1つは『最後の誘惑』、もう1つは遠藤周作原作の『沈黙』です。『最後の誘惑』ではキリストは悪魔に嵌められて、最後の最後に死ぬのをやめたというストーリーを作り、スコセッシはキリスト教団体から猛烈に非難を受けました。そして『沈黙』でも信仰心があるゆえに苦しむ宣教師を描いており、スコセッシにとって「真の信仰心とは何か」が大きなテーマでした。
魔性の女
中世ヨーロッパで女性が魔女狩りの被害にあったように、Pバードラパダの女性は『魔性の女』と呼ばれる場合があります。
芸術家ロセッティ作『パンドラ』のモデルである女性ジェーン・モリスの月とラーフは水瓶座側Pバドラパダにあります。貧しい生まれでありながらも裕福な芸術家と結婚、才能と強かさでのし上がった女性ですが、旦那さんを好きだと思ったことがなかったようです。
山田五郎さんがYouTubeで非常に面白く解説しているので、ご覧になってみてください。